『ミッドナイト・イン・パリ』 2011年

 

3作目は『ミッドナイト・イン・パリ』だ。この作品は、主人公のギルが1920年代のパリにタイムスリップするファンタジーコメディである。ギルにとって、1920年代のパリは、偉大な芸術家達が活躍した「黄金時代」だ。ヘミングウェイフィッツジェラルドなどの芸術達と対面したジルの表情は、憧れのプロ野球選手を目にした野球少年のそれである。

 

私も1930年代のアメリカにタイムスリップして、ベーブ・ルースルー・ゲーリックに会ってみたい。もちろん、彼らのサインを現代に持ち帰って高く売ろうなどとは考えていない。ただ、考えるのは自由だ。どんな権力者であろうと、考えるのをやめさせることはできない。ちなみに、ロダンの『考える人』は、地獄のことを考えているらしい。地獄でなぜ悪い

 

しかし、パリという町は本当に美しい。作品の冒頭に、パリの町並みを映すシーンが3分ほどあるのだが、ただ景色を映しているだけで絵になってしまう。「どんな小説も絵画も交響曲もパリにはかなわない」というギルの言葉には、嘘や偽りが一切ない。「パリという町が内包する圧倒的な美しさ」を体験した者にしか口にできない真実の言葉だ。

 

また、ギルがタイムスリップして迷い込んだパーティーで流れていた曲(Conal Fowkesの『 Let's Do It 』)の歌詞も印象に残った。この曲の中には、「ロマンチックな海綿も恋をするらしい」という文言があるのだが、これはエロティック・ジョークなのだろうか。私にはわからない。ただの考え過ぎかもしれない。考えるのは自由だ。

 

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